科目名(メディア)=運動と力(01)=(SKY Perfect TV 2005年まで放送)

 

〔主任講師: 阿部 龍蔵(東京大学名誉教授)〕

師(現職名): 堂寺 知成(京都大学助教授)〕

 

全体のねらい

運動と力との関係を調べる学問は力学とよばれ、これは物理学の基礎分野の1つである。本講義では、日常生活との関連、映像の活用などに重点をおき力学の基礎的な事項をなるべくやさしく解説する。数学の準備として微積分学、線形代数などの習得が望ましいが、それを前提とせず講義中で適当な説明を加えるつもりである。

 

テ ー マ

執筆担当

講師名

(所属・職名)

放送担当

講師名

(所属・職名)

位置・速度・加速度

物体の運動を記述するにはその位置を指定する必要がある。このためには空間中に適当な座標系を導入し、物体の座標を決めればよい。あるいは位置ベクトルを決めるといってもよい。ここではベクトルの性質、物体の速度や加速度について説明する。

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

2

運動の法則

ニュートンは著書『プリンキピア』において運動の法則を述べ、力学の体系を確立した。ここではまず運動の第一、第二、第三の法則について説明する。次にそれらの法則の応用として等速度運動、等加速度運動、抵抗のある運動、放物体の運動、斜面に沿う運動を決める基礎方程式を導出する。

堂寺 知成

(京都大学助教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

3

単振動・強制振動・減衰振動

振動は日常的によく見られる運動の一種であるが、その内もっとも簡単なものは単振動である。ここでは単振動の性質を学び、その延長線として強制振動、減衰振動について触れる。

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

4

非線形力学

単振動を記述する方程式は線形微分方程式であるが、非線形性を入れると運動の情況は一変しカオスが出現する。ここではカオスを示す振動子を観察しカオス運動を学習する。また、カオスの特徴である初期値に対する敏感性を凹凸斜面での落下の計算機実験を見ながら理解する。

堂寺 知成

(京都大学助教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

5

仕事と力学的エネルギー

仕事とかエネルギーという言葉は日常的にもよく使われるが、その厳密な定義は力学で与えられるものである。これらについて触れるとともに力が保存力の場合、なめらかな束縛の場合などに力学的エネルギー保存則が成立することを示す。

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

6

運動量と力積

自動車事故では自動車の質量が大きいほど、また速さが大きいほどダメージがひどくなる。このようないわば運動の勢いを表す量として運動量を導入し、これと密接な関係のある力積について学ぶ。

同上

同上

7

計算機の応用

運動方程式を数値的に解くためには離散化が必要である。しかし、離散化には注意が必要である。ここではまず離散化の仕組みを学ぶ。最終的には4次のルンゲ・クッタ法を使って例題を解き、数値計算の面白さを知ろう。印刷教材にCプログラムを例示し、パソコンを所有する学生には演習問題を提供する。

堂寺 知成

(京都大学助教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

8

流体の運動

気体と液体を総称して流体という。力学の対象は固体だけでなく流体にも及び、流体の運動を論じる力学を流体力学という。ここでは流体力学の基本的事項として圧力、流線、粘性率、レイノルズの相似則を学び、次に力学的エネルギー保存則の延長としてベルヌーイの定理を導く。

同上

同上

9

構造力学

地震で建物が崩壊したり、橋梁が落ちたりする。物体に力が加わると、力が小さいうちは物体の変形の大きさは力の大きさに比例し、フックの法則が成立する。力がある限界を越えると物体の破壊が起こる。この章では力の釣り合い、弾性体の変形、橋の構造といった構造力学の基礎を学ぶ。

同上

 

同上

10

万有引力

ニュートンのりんごの話はあまりにも有名だが、ここでは万有引力について学ぶ。点状の物体間の万有引力を説明した後、有限な形の物体同士に働く万有引力を論じる。とくに、一様な球同士の場合、具体的な計算を行う。

 

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

阿部 龍蔵

(東京大学名誉教授)

11

惑星の運動

太陽と地球との間には万有引力が働くが、この2つだけに注目した場合の問題を二体問題という。二体問題は基本的に一体問題に帰着するが、このような観点から惑星の運動を調べ、ケプラーの法則が導かれることを示す。

同上

同上

12

相対運動

慣性の法則が成立するような座標系を慣性系という。慣性系に対して相対運動を行う座標系では、一般に見かけ上の力が現れこれを慣性力という。ここでは並進運動、回転座標系などを考察しガリレイの相対性原理、コリオリ力、遠心力などについて学ぶ。

同上

同上

13

剛体と慣性モーメント

力を加えても変形しないような理想的な固体を想定し、それを剛体という。剛体の運動を記述する基本的な物理量は慣性モーメントであるが、その具対例をいくつか扱う。また、剛体の簡単な運動として固定軸をもつ場合と平面運動について述べる。

同上

同上

14

剛体の回転

固定点の回りで回転するような剛体を考え、その全角運動量、運動方程式、全運動エネルギーなどについて考えていく。また、このような回転を記述する数学的な方法として、オイラー角を導入し、それに伴う座標変換について論じる。

同上

同上

15

重力場中の対称こま

こまの運動は、力学の各種の課題の中でとくに興味のある

問題である。ここでは重力場中の対称こまを扱い、オイラー角を利用してその代表的な各種の運動について論じていく。とくにオイラー角θが0となる場合(眠りごま)が実現されるための条件を導く。

同上

同上