科目名(メディア)= エネルギーと熱  (‘03)=(Sky perfect TV 2007年まで放送)

 

師(現職名): 岡部 豊(東京都立大学教授)〕

師(現職名): 堂寺 知成(京都大学助教授)〕

 

全体のねらい

私たちの暮しの中で,熱を仕事に変える機械としてのエンジンを利用し,一方限りあるエネルギー資源の問題を論じている.この講義は,このようなエネルギーと熱の本性を物理学の立場から理解することを目的とする.身近な現象をとりあげ,熱力学・統計力学的に考える.また,コンピュータ・グラフィックスを有効に利用して理解を深める.

 

テ ー マ

執筆担当

講師名

(所属・職名)

放送担当

講師名

(所属・職名)

各種のエネルギーとエネルギー変換

エネルギーという言葉は日常的にもよく使われる.物理学におけるエネルギーの概念,各種のエネルギーの変換,エネルギー保存則などについて学ぶ.また,現象をマクロにとらえる見方とミクロにとらえる見方の関連を理解する.

岡部

(東京都立大学教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

岡部

(東京都立大教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

2

温度と熱

温度と熱は日常的に用いる物理概念である.最高気温,熱いお茶,風邪で熱があるなどという.この章では,温度,熱量,仕事などの物理用語を学び,日常的使用法と物理学での使用法の違いを明確にする.

 

堂寺 知成

(京都大学助教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

3

熱力学第一法則

エネルギー問題の解決が容易でない第一の理由は,何もないところからエネルギーを生みだすのが不可能なことである.本章では,このことの背後にある熱力学第一法則(広義のエネルギー保存則)を学ぶ.気体の膨張や圧縮と,温度や熱との関係も正しく理解したい.

同上

同上

4

熱機関

熱を仕事に変える機械が熱機関,すなわちエンジンである.この章では,どれだけの熱を仕事に変換できるかを考察するために,カルノーという天才が考案したエンジンの理論を詳しく学ぶ.また,エアコン,冷蔵庫などの仕組みを学ぶ.

同上

同上

5

熱力学第二法則

熱いお茶は冷め,煙突の煙は拡がってゆくことを,日常生活で経験している.しかし,この逆の現象は,自然には起こらない.このような現象を不可逆現象という.本章では,不可逆現象を説明する熱力学第二法則を学び,エントロピーという物理量を導入する.

同上

同上

6

熱伝導

断熱材の有無で冷暖房費が大きく異なり,寒冷地などでは衣服の耐寒性が問題となってくる.このように熱伝導の問題は生活に関わりが深い.この章では,熱伝導,対流,放射など熱の伝わる仕組みと法則を学ぶ.

 

同上

同上

7

統計的な扱いとランダムウォーク

前章までエネルギーと熱をマクロな観点から調べてきた.物質を非常に多くの原子・分子から成る集団としてとらえる際には,統計的な扱いが必要になる.酔っ払いの歩き方に似た,でたらめな方向に進むランダムウォークを例に,統計的な考え方を学習する.

岡部

(都立大・

 教授)

岡部

(都立大・

 教授)

8

分子の熱運動とマクスウェルの速度分布

気体を構成する分子は絶え間なく運動している.その分子の熱運動と温度との関係を学ぶ.個々の分子はいろいろな速度で運動している,すなわち分子の速度は分布する.分子の速度分布関数について学習する.

岡部

(東京都立大教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

岡部

(東京都立大教授)

堂寺 知成

(京都大学助教授)

9

統計力学の基本的な考え方

多数の粒子から成る体系の熱的な性質をミクロな粒子の力学法則から出発して理解する統計力学の基本的な考え方を学ぶ.エルゴード仮説に基き,エネルギー配分の確率について学習する.

岡部

(東京都立大学教授)

岡部

(東京都立大学教授)

10

マクスウェル-ポルツマン分布と応用

前章で導いた統計力学の基本法則に基いて,いくつかの系の統計力学的な性質を調べる.個々の粒子が2つのエネルギー値だけをとる2準位系,多数の調和振動子から成る系などを取り上げる.

 

同上

同上

11

熱とエントロピー

5章で学んだエントロピーの熱力学的な見方,第9章で学んだ統計力学的な見方を整理する.混合,拡散などの具体的な現象を例に,エントロピーの概念の理解を深める.

同上

同上

12

相転移の熱統計力学

水が固体,液体,気体の三態をとるような状態の変化を相転移という.相転移を熱力学的に理解すると共に,多数のミクロな粒子の相互作用がもたらす協力現象として統計力学的にとらえる.具体的にイジング模型とよばれる磁性の相転移を調べる簡単なモデルを学ぶ.

同上

同上

13

複雑系の相転移

世の中には,あるパラメータが変化すると系の性質が大きく変わる「相転移」を示す現象は広く存在する.必ずしも熱的な現象とは限らない.浸透問題,病気の伝染の問題などに見られる相転移現象をとりあげ,主にコンピュータ・シミュレーションにより理解する.

同上

同上

14

量子統計力学入門

電子や陽子などの同種の素粒子の集りを量子力学で考える場合には,粒子が区別できないことによる素粒子の統計性を考慮する必要がある.粒子の波動関数の座標の入れかえに関する対称性からボース粒子とフェルミ粒子に区別されるが,それぞれの統計的性質を学ぶ.

同上

同上

15

理想フェルミ気体と理想ボース気体

相互作用のないフェルミ粒子あるいはボース粒子から成る体系をそれぞれ理想フェルミ気体あるいは理想ボース気体という.理想フェルミ気体の例として金属の自由電子模型を考え,低温における比熱を調べる.また,理想ボース気体が低温で示すボース凝縮を学ぶ.

同上

同上