ミクロ相分離と空間分割


Division of d-dimensional space (d = 1,2,3) by symmetric (d +1)-arm star block copolymers.

(Up) AB diblock copolymers: The 1-space is divided into alternating segments (left), forming a lamellar phase in the 3-space (right), where each component extends two dimensionally.

(Middle) ABC star triblock copolymers: The 2-space is divided into hexagons composing a honeycomb structure (left), where each component is unbounded in the 3-space (right).

(Down) ABCD star tetrablock copolymers (left): The 3-space is divided into polyhedra called cubooctahedra, which are well known as the Wigner-Seitz cells of the body-centered cubic lattice. Each component is compactly bounded in the 3-space (right).

星形ブロック共重合体系においては,空間の次元(d )と成分数(アーム数d+1 )とには以下に述べるような簡単な関わりがある.

 もっとも単純な星形ブロック共重合体は,長さの等しいA,Bブロックを結合したABブロック共重合体であり,それらはラメラ相(図上)を形成する.AB界面のうねりを忘れて平面と思えば,構造の本質は平面と垂直な方向の一次元空間の分割である.

 次に,連結点に3成分の等しい長さの高分子を結合したABC星形ブロック共重合体を用いると,AB,BC,CA間の分子間斥力がほぼ同じならば,2次元空間は六角形からなる蜂の巣構造に分割され,残った1次元分がシリンダー構造となる(図中).

 さらに長さの等しいABCD星形ブロック共重合体を用いると,3次元空間はセル分割され,図右下のようなケルビン多面体構造をとることがコンピューターシミュレーションで示された.なぜ,A15構造にならないかは,奇数角形があるとABCD4色によるセル塗り分けが不可能であることからわかる.

 従来の結晶は,原子または原子集団が周期構造をとる構造である.この系では原子よりもむしろ,セルが周期構造を構成するので,「胞晶」(cell crystal)と呼ぶべきものであろうか. ABCD星形ブロック共重合体を合成すれば胞晶が得られるはずだが,実験的検証はまだである.