超分子デンドリマーがつくる液晶準結晶
[Nature, 428, 157 (2004)]


紹介者 = 堂寺知成

高分子 53(2004) 11月号,海外ニュース,p.890

脂質、界面活性剤、ブロック共重合体、液晶など数多くのソフトマテリアルが自己組織化し、10-8〜10-6mの周期を持つラメラ、シリンダー、ミセル、共連続相などの構造を作る。これまで発見されたソフトマテリアルの秩序構造は、19世紀以来の古典結晶学に従う17の平面群または230の空間群に属していた。しかし、原子スケールの周期を持つ合金相では、2,3,4,6回以外の古典結晶学で許されない回転対称性を持つ「準結晶」が1984年以来数多く発見されてきている。デンドリマーが作る球状ミセル相では、合金相で見られるかなり複雑な結晶構造の形成が昨年報告されていたが、本論文はさらに12回回転対称性を持つ準結晶回折パターンを示し、ソフトマテリアルにおける最初の準結晶発見の報告となった。この相の実空間構造は未だ明らかではないが、この発見は、原子系からスケールアップしたソフトマテリアルでも原子系と同じ複雑な構造形成があることを示唆している。

*原稿依頼後すぐに送付したので予定よりひと月早く印刷された.重要性ゆえ早く印刷されたと思いたいところである.小生を含むグループは高分子系(実験)で,準結晶の近似結晶構造を発見した.シミュレーションでは準結晶ができている.あと一歩である.

著者のUngarやPercecに準結晶業界で走られてはまずいので,われわれの仕事を準結晶業界に宣伝しに行った.Ungarの発表のあとに手を挙げてわれわれの仕事について述べたり,議論のセッションでソフト準結晶について言及した.ついでにUngarやPercecに挨拶してきた.(2005)

印刷された4編を見て思うのであるが,猪俣先生や小生のような気の弱い人?2名は字数制限を律儀に守る.残り2編はとても長い.そのような所にも性格が出るのは面白いことである.