卒業研究ゼミナール
研究概要1


ソフトマター研究室の心 
 プラスティックマインド(柔軟な心)*
*柔軟な心を持たねばならぬ... となっては台無しではある。
 

近畿大学大学院 総合理工学研究科 理学専攻物理学分野 2017 

研究室の研究レベルは高く、2015年2月に近畿大学ではじめて英科学誌ネイチャーに論文が掲載されました。これは卒業研究生の大城辰也君の卒業研究にはじまった研究です。2015年度は別宮進一君が総合理工学研究科総代、田中秀明君が学部長賞受賞、高橋佑輔君が卒研発表賞第1位受賞、大野優太君第4位など意気盛んです。2016年度は野中健史君が卒研発表賞第3位を受賞し、院生の田中秀明君と高橋佑輔君が総合理工マスターズ2017で優秀ポスター賞を受賞しました。2017年8月には青銅比準結晶発見の論文が英科学誌ネイチャー・マテリアルズに掲載されました。

2011年ノーベル化学賞シェヒトマン教授の受賞発表時には、ノーベル賞選考委員の受賞理由解説にも研究室の論文は引用されました。この分野でのトップ研究者の一人として、ノーベル賞記念論文集にもソフト準結晶の解説記事を寄稿しています。2016年末には世界のトップ研究者ばかりを集めたソフトマター準結晶の論文集を編纂します。

世界レベルでソフトマターおよび準結晶研究を計算物理学的方法で研究しようという進学者、大学院生を歓迎致します。

卒業研究ゼミナールを考えている3年生諸君に 2017

ソフトマター物理学研究室では,建学の精神 =「実学教育」と「人格の陶冶」を重視しています。具体的には,物理と同時に計算機の技術を身につけて将来に生かそうという意欲ある学生さん向き,しっかり働く人々向きの研究室です。とりあえず,3年前期は物理学実験2を履修してください!!!

卒業研究ゼミナールでは卒業研究の準備として、2016、2017年度はWEB授業です。

世界の授業を体験しよう!
MOOC授業(Courseraコーセラ)
 ヴェルナー・クラウス教授(ENS、モンテカルロ計算の専門家)のWEB授業

「Statistical Mechanics: Algorithms and Computations」(+Python実習)

卒業研究では、ソフトマター、準結晶、ナノテクノロジーの理論計算研究や計算機シミュレーションをします。運動会系のごとく日々課題をこなすことによって知的マッスルを鍛え,知的職業人としての常識,資質,頭の強さを身につけてもらおうと思っています。計算機実験は計算機の前でどうしても時間がかかります。真面目に、いわば修行僧のようにストイックに、毎日働くことは覚悟の上で選択してください。学問的議論の自由は尊重しますが,日常が放縦であってはなりません。しかし、その分諸君らは鍛えられるし、社会に出ても実力ある卒業生となれるでしょう。(善悪の判断は別にして)世界はグローバル化しており、単純労働ならば低賃金でも働こうという新興国の人々に負けてしまいます。現代においては、大学卒業資格よりも本人の能力が問われているのです。自らの売りを増やして下さい。競争力がないものにも大切なものはあると断った上で、アジア競争力を持つ人材、企業、産業はひっぱりだこです。このことはこれからの時代に強く意識してください。英語はできて当たり前、TOEICなどのクラスも就職を見据えてしっかり勉強しましょう。もはや日本国内だけでは生きて行けません。アジアの国々で働けますか?専門知識があって、やる気旺盛で、自国語、英語、日本語を話すアジアからの同僚に勝てますか?

物理コースの授業では、とくに統計力学1、2、物理数学(行列の固有値、フーリエ変換など)を勉強してきてほしいと思います。数学コースの授業では幾何学2(曲面と曲線の微分幾何)、群論、線形数学(固有値)、化学コースでは高分子物性、超分子化学、高分子化学、化学熱力学などを履修してくると、卒業研究でも一歩進んだ研究に取り組めます。数学や化学との境界領域の研究には未知の大海が広がっているのです。専門性と同時に全体を見渡すこと、俯瞰的な視野も必要です。おそらく高度成長するアジアに負けない方法は、学問、文化の深み、技術の神髄、人類の歴史をわきまえて、教養、知性、芸術性、職人芸などに溢れた研究をすること、製品を作り出すこと、理系文系を超えた何かを生み出すこと、独自の世界に踏み込むことです。それが日本の生きる道です。教科書だけの勉強ならガツガツ勉強するアジアの学生に負けてしまうかもしれません。

物理卒業生たちのアドバンテージ(利点)とは何でしょうか。物理学会の調査項目によると以下のような利点があります。
   論理的に考えプレゼンできる。
   本質的な要素の抽出、モデル化ができる。
   新技術の原理を理解し利用できる。
知らず知らずのうちに、物理を真面目に勉強していると上記のような強みが出てきます。とりわけ、論理性を身に付けることは後の人生の仕事の質や量に計り知れない良い影響をもたらします。科学は日進月歩であり、一生科学の発展を見ながら人生を送ることになりますが、最先端の科学研究の一端を知っていて、科学に対して自分なりの考えをもって対応できる社会人になることでしょう。

研究室は楽しいでしょうか。堂寺自身は好き勝手に楽しんでいます。自分勝手に楽しんでやって下さい。自分で楽しさを発見できることが生きてゆく上でとても大切な能力なのです。
さて、楽しいと申しましたが、手軽に楽しさがあるわけではないです。たぶんないと思います。本当の楽しさはこつこつ努力する中に生ずるし、あるいは達成してはじめて楽しさが出てくる場合もあります。若いときに身につけた専門性、がんばったことなどは君らの人生を支えます。君らの未来は君らが活動することによってしか切り開くことはできないのです。若いうちに真面目に学んで伸びることを体験しておくと,社会に出てからも新たに学んで伸びることを繰り返せる人になるでしょう。

それからおしゃべりが好きな性格の明るい人、深くは考えていないけれど真面目に取り組んでみたい人も大歓迎です。明るい人はそのうち明るい未来を呼び込みます。真面目な人は誰かが見ていてくれるものです。

大学院を考える諸君に

大学進学率は20年前25%だったのが,現在2倍以上の50%を越えています。これは少子化が大きな原因で,次に大学の増加が2番目の原因ですが,はっきり言えることは大学を出ただけでは(昔の希少)価値がなくなってしまったということです。90年代後半の就職氷河期に比べ求人は1.4倍あり、リーマンショックでも求人はそれほど落ち込んでいないのですが、大学生が1.5倍に増加しているし,製造業が海外に出ていますし,呑気な日本人学生(がいたとして)は語学力でも学力でも胆力でも国際的に競争力がありませんから,楽にはなりません。実力があっても(いたとして)大人でなかったり,柔軟性がなく目利きでなかったり,競争に飛び込む勇気がなかったりするとかなり厳しいのが現実です。しかし,目前の競争に勝ち抜き,社会人としての実力を鍛える職場を確保することはとても大切です。

大学院進学は将来への自己投資です。特に理系就職を目指す諸君には修士号は目標とすることをすすめます。というのも多くの理系大企業では、修士号取得者を研究員やエンジニアとして採用するからです。科学の最先端の研究を学び,それに向かって2年間みっちり努力する中で,いろいろなことを身につけてゆくことができます。知識が増えるだけでなく,日々の研究生活の中で精神的にも研究のプロフェッショナルに近づくことができます。そうした経験が職場で研究者あるいは仕事人としての土台を築くことになるでしょう。人というのは柔軟性があります。今から心を引き締め,20代自分を鍛えて,10年後,20年後,30年後の未来を築く。近畿大学から明日の日本を支える人々が育ってくれることを心から願っています。

修士研究では、物理学会、準結晶研究会、高分子学会、高分子計算機科学研究会、国際会議その他の研究会で発表することを目指します。はりきる学生さんは大学や企業の研究者からも評価されますし、研究者への道につながります。学外で発表をして学外の研究者や学生と他流試合をやることができるのも大学院生の特権です。研究室は世界でも創造性を高く評価される研究を目指しており、諸君もがんばれば世界の第一線の研究に到達することができると確信を持って言うことができます。学外からの研究費も十分あり、最新の計算機での計算研究プロジェクトに参加してくれる諸君を待っています。

なお,公的研究所、大学などでの研究職を目指すには博士号が必須条件です。


M2
高橋 佑輔

すでに僕の結果で先生はアメリカ物理学会で発表しましたが、ボク自身も9月の物理学会で発表しました。3年生の3月に奈良女子大で発表したときにCGを見せたら皆何回も見せてくれと言いました。12月ソフトマター研究会でも発表。卒業論文「プリミティブ曲面上の剛体球の相転移」物理学コース卒研発表賞第1位。オーストラリアの国際会議で発表しました。総合理工マスターズ2017優秀ポスター賞。

M2
田中 秀明
成績も良くて英語も得意なのが強み、ますます磨きをかけてますが、もちろん研究もやってます。9月の物理学会でポスター発表しました。微分幾何の計算もできるようになってきました。9月物理学会、12月ソフトマター研究会で発表。卒業論文「三重周期極小曲面上の剛体球 - ダイヤモンド曲面」。いよいよ本領発揮となるでしょう。卒業式では物理学コースから唯一学部長賞受賞。オーストラリアの国際会議で発表し、大先生と議論してきました。総合理工マスターズ2017優秀ポスター賞。
M2
西浦 智也

研究室では計算機の技術を身につけようと思っています。パソコンを作ったりシステムをインストールしたりしています。研究はミカエル・エンゲルさんのポテンシャルで正20面体準結晶シミュレーションを行い、フェイゾン解析をいたします。

M1
荒牧 慧
ハードコア・ソフトシェル粒子系シミュレーション
M1
安田 有佑
正12角形準結晶近似結晶・Frank-Kasper σ構造の生成
B4
北口 有紀

英語ディベートの覇者。
Debate League For the Inexperienced (2014/12) チーム1位、個人2位、Kobe invitational debate (2014/12) チーム2位、Kansai English Speaking Society Association-Tournament (2015/5) チーム3位、個人10位、The 9th Golden Cup 判定者10位。

タイリングについて調べています。

 

B4
太田 勇輝
パイソンの王様
B4
川邊 司
電子状態計算の王子
B4
築地 佳純
モンテカルロ測定の女王
B4
中蔵 丈一郎
高次元結晶のジョー
B3
小林 聖弥
見習い
B3
高木 将太
見習い
B3
今井 千尋
見習い
B3
宇都宮 將太
見習い
卒業生 OB 卒業生 OB 卒業生 OB 卒業生 OB 卒業生 OB 卒業生 OB 卒業生 OB 卒業生 OB

     
輪講 著者  
2016後期 Werner Krauth Coursera: Statistical Mechanics: Algorithms and Computations
2016前期 T. Janssen, G. Chapuis, M. de Boissieu Aperiodic Crystals
2015後期M. Doi Soft Matter Physics
2015前期P. Chaikin・T. Lubensky Principles of Condensed Matter
2014後期田崎晴明
岡崎 進
統計物理学<1>
コンピュータシミュレーションの基礎
2014前期 ウィッテン、ピンカス著 好村滋行・福田順一 訳 ソフトマター物理学
2013後期 Alan H. Schoen Infinite periodic minimal surfaces without self-intersections. Technical Note NASA-TN-D- 5541, NASA, 1970
2013前期 Mark E. Tuckerman Staistical Mechanics: Theory and Molecular Simulations
2013春夏 土井正男 ソフトマター物理学入門
2012秋 Ulf Leonhardt & Thomas Philbin Geometry and Light: The Science of Invisibility
2012初夏 竹内伸・蔡安邦・木村薫・枝川圭一 準結晶の物理
2012春 W. Steurer & S. Deloudi Crystallography of Quasicrystals: Concepts, Methods and Structures
2011後期 T. Witten Structured fluids
2011春 土井正男 ソフトマター物理学入門
2010後期 Werner Krauth Statistical Mechanics: Algorithms and Computations
2010後期 川勝年洋 高分子物理の基礎 統計物理学的方法を中心に
2010夏 青木敬之・額田彰 はじめてのCUDAプログラミング
2009後期 P. Chaikin・T. Lubensky 現代の凝縮系物理学
2009後期 Werner Kraut Statistical Mechanics: Algorithms and Computations
2008後期 矢部孝・尾形陽一・滝沢研二 CIP法とJAVAによるCGシミュレーション
2008 D. Frenkel & B. Smit Understanding Molecular Simulation
2007 G. H. Fredrickson The Equilibrium Theory of Inhomogeneous Polymers
2007 上田顕 別冊数理科学 計算物理入門(分子シミュレーションを中心に)
2006 M. Kleman & O. Lavrentovich Soft Matter Physics
2005後期 T. Witten Structured fluids
授業 J.-L. Barrat & J.-P. Hansen Basic Concepts for Simple and Complex Liquids
2005前期 R. Jones Soft Condensed Matter
2004 迫田和彰 フォトニック結晶入門
2002 L. Kadanof Statistical Physics: Statics, Dynamics and Renormalization
2001 P. Chaikin・T. Lubensky 現代の凝縮系物理学
2000 P. Chaikin・T. Lubensky 現代の凝縮系物理学
1999 北原和夫 非平衡系の統計力学
1998 ? Mathematicaビギナーズ
1997 砂川重信 電磁気学
1996 戸田盛和 流体力学
1995 阿部龍蔵 熱統計力学
1994 ディラック 量子力学

先生は水泳をしにさっさと帰るので夜は研究をさぼっているようです。年寄りの冷や水ですから体に気をつけてください。研究室には隠しサイトがあって各種研究室連絡が行われます。外部に見せるわけにはいきません。秘密結社のようですね。複数の計算機のCPUにいくつものぼくらの計算ジョブが日夜問わず走っています。計算機たちもグループの大切なメンバーです。